★´91東京おもちゃショーのご報告(その2)
(前の書き込みの続きです)
それは、コアグラと同じ大きさの本体に4インチのカラー液晶ディスプレイとチューナーとパッドを内蔵した「ラップトップ型PCエンジン」です。ディスプレイはGT以上に見やすく、これなら「ネクロマンサー」のパスワードも大丈夫かもしれません。そしてなんと、背面に拡張端子があるので、ロムロムのインターフェースにつなげるのです!(実際に、ロムロムにつながってCDのゲームが動いていました。)はっきり言ってこれは驚きでした。そのうえパッドの端子もついているので、(たぶん)マルチタップをつなげれば5人プレイも出来るというわけです。よくまあ、あのコンパクトなボディにこれだけの機能が入ったものです。
しかし、問題点もあります。まず本体の上部に液晶ディスプレイがついた形状のため、このままではスーパーロムロムなどにはつながらないということです。またロムロムにセットした場合も、どうやら電圧だか電流だかがたりないようでして、本体にもACアダプタが必要になりそうな気配‥‥。そして最大の問題点は、値段です。どう考えても10万くらいはしそうです。うーん、せっかくすごいと思ったのにねぇ…。さすがに「参考出品」を強調するだけはあるな。
他にも、カタログには「新発売」と書いてありながら「参考出品」のGT用大容量バッテリーパックとか、すでに忘れ去られた通信ブースターとかがありました。
会場内ではスーパーロムロム用のソフトがいくつか動いていました。私も適当にやってみましたので、例によって感想を書いてみましょう。
PCエンジン用のCD-ROMシステムで、ハードと同時に発表されたCD第一弾ソフトが「天外魔境」でした。登場人物が大きなグラフィックとともに肉声でしゃべり、まるでアニメを見ているよう。CDロムの未知なる世界のすごさを痛感させられたあのゲームが、今度はスーパーCD-ROMの先駆者として帰ってきます。「天外魔境2・マンジ丸」(ハドソン)、今回は2Mのバッファをフルに生かしたオープニングビジュアルシーンが出展されてました。今までのソフトとは、ビジュアル画面の大きさも長さも動きも演出も全然違います。もちろんBGMはCDサウンド。はやくゲーム本編も見てみたいですね。
イースに続いてハドソンが送る、パソコンからの移植RPG「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」。基本概念はどうやら「イース」シリーズの時と同じ様な雰囲気でして、完全移植+豪華なビジュアルシーンになりそうです。とりあえずやってみましたが、画面構成やシステムなどもほとんどパソコン版同様です。まだビジュアルシーンはなかったのですが、例のタイトル画面はちゃんとありました。また、音が聞けなかったのは残念でした。
さらにこれまたパソコンからの移植RPGの「プリンスオブペルシャ」(リバーヒルソフト)。あの不気味なほどのリアルな動きはそのまま再現されています。移動スピードもなかなかですが、やはり操作は難しそうですね。あとは音がどうなるかですが、多分CDサウンド+サンプリングで迫力満点になるでしょう。これは結構いい出来になるかもしれないです。
そして、今はやりの(?)コミカルシューテイング「スターパロジャー」(ハドソン)。だいたいゲーム内容は想像できるでしょうが、コナミの「パロディウス」のPCエンジン版といったところです。
さっそく遊んでみました。自機は、普通の戦闘機のほかに、ボンバーマンとPCエンジンの3種類の中から選びます。試しにPCエンジンを選んでみたところ、アイテムがHuカードだったり、オプションのコントローラーが自機についたり、弾を撃つとCDロムが回転しながらとんでいったりします。ボンバーマンの時は、アイテムがあの(爆弾や火炎の)パネルだったり、弾が爆弾みたいに四方に広がったりするわけです。
展示されていたのは「おもちゃショーバージョン」でして、ステージの背景には「祝・おもちゃショー」の垂幕やらくす玉まであります。ピエロ風のボスは「まだ出来ていないよーん」という看板を投げてくるし、クリアすると「発売まで楽しみに待っててね」などと出てきます。
オープニングデモも爆笑物でした。ボンバーマンたちが自機を作り、とんでいくのはなかなかかわいかったです。また、随所に高度なテクニックが使われているのもポイントです。タイトルの出方もかっこいいですし。
あと、オプションモードで難易度とか縦長モードとか自動連射とかを選べるのもいいですね。これは発売が楽しみです。
ほかには「ポピュラス」のスーパーロムロム版もありまして、何か変なキャラがたくさんうごめいているのが確認されました。もっとも私は「ポピュラス」をやったことがないので何とも言えませんが。ついでに「シムシティー」とか「A列車で行こう」なんてのも出ないかなあ‥‥。
その他出展はされていなかったものの、スーパーロムロム用ソフトは数多く開発されているようです。ジャンルとしてはRPGやシミュレーションが多いようですので、これからますますゲーム層が広がっていくようですね。スーパーロムロムの世界は明るいようです。
ついでですので、会場内で展示されていたPCエンジン用ソフトについても書いてしまいましょう。なお、いつものように、私が適当に見て回って「ふむふむ」と思ったもののみですので。
アイレムの「レーシング魂」というバイクレーシングゲーム。モニターの前に立った私は、展示員の誘われるままに席に座り、詳しく説明を受けながらしばらくプレイすることになったのでした。どうせなら、きれいなおねえさんにやさしく教えてもらいたかった…なーんてね。いやあ、こんな風に扱われると、何か偉くなったような気がするぞ。でまあ実際にゲームをやってみての感想は、やっぱりなかなかうまくいかなかった!転んでばっかりでした。もっとも、最初からスイスイ進んだらつまんないでしょうけど。
NECアベニューの「森田将棋PC」。駒をモンスターに変える(3Dモード?)となかなかかっこいいです。音もいいです。しかし‥‥私は将棋がわからないのでした。これじゃあ話になりませんね。ついでに「将棋を教えてくれるモード」とかあればよかったのに(なんてわがまま)。
ハドソンブースにやってきました。恒例のキャラバン認定ソフト、今年は「ファイナルソルジャー」です。シューティングのあまり得意でない私も、2分間モードやら5分間モードやらを何回かやってみました。「前のとどこが違うのかわからん、ほとんどそのまんまやないか」のようで、やっぱり違うんですよね。しっかしパッドでやったものだから、左手の親指付け根右下部が痛くなってしまいました。あとは「PC原人2」などいろいろありましたが、残念ながら「ハドソンと言えば」で同じみ高橋名人はいませんでした。
パルソフトの「マジカルチェイス」。グラフィックがとってもきれいなシューティングです。多重スクロールもなかなかのものです。でも難しそうな気がするなあ。
あとは特に目新しい物はありません。今までにCSGや雑誌で見たものもかなりありました。
そういえば、なぜかNECブースに、電子手帳の「ET」が、何本かのゲームソフトとともに展示してありました。確かにゲームを動かせばおもちゃとして遊べるのは事実ですが、妙に浮いていました。(他のメーカーのブースに展示されていないだけマシである。)
一方のセガ・エンタープライゼス。ななんとNECブースと背中を向かい合わせた隣にあるんですね。こちらもゲーム業界注目の的の、メガドライブ用CD-ROM「メガCD」が展示されていました。これは火花がバチバチ飛んでいたのでは?
とりあえずスペックを見てみたところ、機能の凄さに驚いてしまいました。
まずCPUにメガドラ本体と同じ68000、しかも、クロック数はそれの1.5倍の12.5MHzのものを積んでいるそうです。でもって、これは本体のCPUの代わりにメインCPUとして使うのか、それともCDをアクセスしたりその他拡張機能用に使うのか、いまひとつわかりません。多分後者の方でしょうが、例のテラドライブのこともあることですし‥‥並列処理可能とか?
そしてバッファRAMは、ななんと6メガビットということです。PCEのスーパーロムロムがやっと2メガになったというのに、その3倍もあるとは…。ちなみにこの容量は最後まで決まらなかったようでして、時を同じくして発売されたメガドライブ専門雑誌には、容量に関しては「数メガビット」としか書いてありません。会場に掲示してあったスペック表も、その部分だけ「6M」のシールが貼ってありましたし。で、さらには「CDキャッシュ用」に32KバイトのRAMを搭載しているようです。うーん…。
さらに、8チャンネルステレオPCM音源も積んでいるそうです。これでは業務用機と同じレベルではないですか。PCM用のバッファが512kバイト。これにCDの音声と、本体のFM6声+PCM1声+PSG3声が加わるのだから…。
その上、なーんと拡大縮小回転機能までついているというではありませんか。こりゃSFCのなす術がないな‥‥と思ったのですが、よく見てみると、「座標変換ハードウェア搭載」という風に書いてあります。つまり、ハードウェアで直接拡縮回転させて表示してくれる機能がついたわけではなく、グラフィックのデータを「計算して座標変換する」チップがついたということなのでしょうか。ちょっとここら辺はあいまいですね。
でもって、あとは「高速移動ピックアップ採用」ということで、CDのシーク時間が短縮したそうです。会場のスペック表には「アクセスタイムは平均1秒」と書いてありますが、PCEのロムロムも確かそうだったはずです。もっとも、バッファRAMが6Mもあるんじゃ、RAMにめいっぱいロードするとなると6秒もかかるわけですよね。
ちなみに、内蔵されているROMは1Mビット。CDのBIOSや、CDプレイヤーのソフトなんかが入るんでしょう。CD-Gも再生出来るみたいですね。そうそう、バックアップRAMは8Kバイト。PCEの4倍です。
あと「ゲーム用CD機初のフロントローディング」ということですが、ゲーム用CD機って、今現在でPCEのロムロム以外にあるんでしょうか。
とまあこんな感じです。外観は普通の据え置き型CDプレイヤーと同じような感じでして、メガドライブ本体の下にセットします。本体右側面のインターフェースに、CDから出ているコネクタを接続してつなぐ方式で、どうやらテラドライブにはつなげないようです。テラドライブの立場は…。それと、制御用のカートリッジを挿す必要はないみたいです。
さてさて、気になる価格ですが、なななんと5万円前後ということです。どうやったらこの値段におさまるんでしょうね。まったくセガは不思議です。
とまあこんだけハードがすごくても、やはり全てはソフトにかかっているわけです。残念ながら、実際に動いている発売予定ソフトはありません。
それでもデモだけは動いていました。とはいっても、ほとんどたいしたことはやっていません。MEGACDのロゴが1文字ずつ回転して現れるとか、現在製作中のソフトの1シーンが流れるぐらいで、あとは実写の取り込み画像を動画として表示する程度です。ひとつ気になったのが「SEGA」のレイトレ風CGをスムーズに動かしていたというものです。これを表示している時だけはCDのアクセスランプがつきっぱなしでして、どうやらCDからデータを次々と読み込んで連続アニメ表示出来るそうです。
現在発表されている発売予定ソフトの中で、おっと思うのが、「シムアース」(セガ)です。果たしてどんな風になるんでしょうね。その前に「シムシティ」は出ないのかな。
つづいて、セガブース内で展示されていたメガドラ・ゲームギア用ソフトの中で、私の目についたものをいくつか紹介しますね。
まず最初は、誰が何といってもセガの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」です。セガのブース入口近辺で、大々的にアピールしていました。ハリネズミのような姿をしたちょっとにくたらしいけどかわいらしい「ソニック」は、これからのセガのメインキャラクターになるでしょうね。(ソニックって、セガ・オリジナル・ニュー・イメージ・キャラクターの略かなぁ?)
このゲームはアクションゲームです。途中様々なしかけがあり、楽しみながらどんどん先に進んでしまいました。グラフィックは美しく、展開もスピーディーで、操作は方向移動とジャンプだけと超簡単。キャラの動きもバラエティにとんでいるし、処理落ちもないし、全く文句ない出来です。これなら誰にでも楽しめそうです。
あと、ボーナスゾーンはどっかで見たようなものとは言え、背景がまともな速さでグルグル回転します!これにもまいりました。
それからもうひとつ、タイトルで「SEGA」のロゴが出てる時、「セーガー」と喋るんですよね。ナイスです。
結論です。はっきり言って、メガドライブユーザーなら絶対買って損はないと思いました。他の人たちもみんなそう言っています。この内容で4M6000円は‥‥間違いなくお買い得です!
さて、一方のナムコの「マーベルランド」。これまた鮮やかなグラフィックや回転機能盛りだくさんでいいのですが‥‥どうしても、「ソニック」を見たあとだとちょっと‥‥といった感じです。ちなみに床が回転するシーンがあるのですが、そこだけ大変重くなってしまいます。
続いて「アウトラン」(セガ)。アーケードですっかり有名なレーシングゲームですが、グラフィックもサウンドもなかなかの移植度です。某PCE版ではスプライトが欠けまくっていたあのでっかい石の門(?)も、見たところちゃんと表示されていました。ちなみにゲームギア版もありましたが、その宣伝文句に「8ビットにもかかわらず、爽快感はアーケード版、MD版に少しも見劣りしません」というのは‥‥。
スーパー物研タイムズ編集長
Taicho